出石:兵庫県北部の豊岡市に属す出石町は『古事記』『日本書紀』にも登場する古い町です。但馬開発の祖神『天日槍(あめのひぼこ)』がこの地を拓いたと伝えられています。町名も、天日槍の宝物である『出石小刀』に起因したといわれています。
室町時代には、山名時氏が但馬を制圧、その子、時義が此隅山(このすみやま)に本拠を構えたことにより、出石は但馬の中心として繁栄しました。その後、時義の孫、宗全(持豊)は応仁の乱を引き起こし西軍の大将となりました。
しかし、戦国時代に入り、織田軍に攻められ此隅山城は落城。その後、有子山(ありこやま)に城を移しましたが再び攻められ有子山城も落城しました。その後、小出氏が領主となり山麓に平山城を築城。城下町作りを行ないました。
元禄十年(1697)、松平氏が移封されましたが宝永三年(1706)に信州上田の仙石氏とお国替えになりました。仙石氏は七代に渡り、出石藩を治めましたが、※仙石騒動により減封され明治に至っています。
※仙石騒動:江戸時代の一大事件。発端は二人の家老、仙石左京(改革派)と
仙石造酒(保守派)の勢力争いでした。お家のっとりの疑いで幕府
の裁きを受け、出石藩は五万八千石から三万石に減封されました。
出石神社:但馬一の宮神社として但馬開発の祖神、天日槍と八種の宝が祀られています。古くは古事記、日本書紀にも名を連ねる、山陰有数の大社です。
出石焼:透きとおるような白を特徴とする出石焼。その神秘的なまでの白さと磨かれた技が生み出す繊細な彫刻は、他に例を見ないほどで、国の伝統的工芸品に指定されています。 |